診療&予防接種のご予約はこちら

生活習慣病

生活習慣病とは

生活習慣病

日々の食習慣(健全な食生活かどうか)・運動習慣・休養・喫煙・飲酒・睡眠時間等の有無が理由とされ、これらが病気の発症リスクになると言われているのが生活習慣病です。なお生活習慣病とは、上記のような不摂生な生活習慣が続き進行することで起きる病気の総称で代表的な疾患には、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)などがあります。

なお、生活習慣病は中年や高齢者層の年配の方だけでなく、30代前後の若い世代にもよく見られる症状になり始めたことから、生活習慣病を総称した疾患群と定義されるようになりました。

病気による自覚症状がないまま徐々に進行していくのが、これら生活習慣病の特徴でもあります。そのため気づいた時には糖尿病などの生活習慣病が元で別の病気を起こしてしまう合併症により、心臓の病気、脳卒中などを引き起こしていたということもあります。

このように放置し続けると、生命に関わる病気になることもありますが、毎日の生活習慣を見直すことで生活習慣病は予防することもできます。当院では、生活習慣病の予防および改善に有効とされる食事療法や運動療法の指導や管理も行っています。

代表的な生活習慣病

高血圧症とは

高血圧

高血圧を発症している患者様もしくは、高血圧予備軍(高血圧の気がある)の方を対象にした専門の外来です。なお、血圧は高ければ高いほど脳卒中(脳梗塞や脳出血など)を発症するリスクが高くなりますので、脳卒中の予防(再発予防も含む)が必要な方も対象となります。

高血圧外来では、日本脳卒中学会の専門医である院長が診察し、年齢や現病歴、脳卒中の既往の有無から各々に適した目標血圧を設定し降圧療法を行います。例えば既往に脳梗塞のある方は、むやみに血圧を下げれば良いというわけではありません。頸動脈や脳の血管が狭窄して脳梗塞を起こしているわけですから、血圧が下げすぎで脳梗塞を発症する方もいます。反対に脳出血や無症候性微小出血、脳動脈瘤はある方は、積極的に血圧を下げる必要があります。その他、糖尿病や腎不全の方も厳密に降圧する必要があります。ただ単に血圧を下げることが重要ではなく、各患者様の病態に沿った目標血圧が必要になります。

高血圧

高血圧

血圧が持続的に高い状態が高血圧です。日本高血圧学会によれば外来時の血圧測定で最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。また、収縮期血圧が120~129mmHg未満、拡張期血圧が80mmHg未満の場合、正常高値血圧と診断されます。なお、高値血圧と診断されるのは収縮期血圧が130~139mmHg、拡張期血圧が80~89mmHgの範囲内にある場合です。

自覚症状がないので放置しやすいのが高血圧の特徴ですが、血圧が高いと常に血管に大きな負荷をかけている状態になるので、動脈硬化を招きやすくなり、やがて心筋梗塞や脳卒中、腎不全、閉塞性動脈硬化症といった合併症を起こしやすくします。

なお現在の医療では高血圧の原因は特定されておりませんが、遺伝的要因や個々の食生活に加えて、嗜好品での摂取過多や喫煙・飲酒・運動不足や精神面での過剰なストレスなどによる環境要因が重なり引き起こされると考えられています。
また寒さや緊張などで血圧が変動する方がいます。「普段の血圧が正常値なので心配ない」と考え、治療しないままでいる方も多くいます。これは血管がしなやかさを失っている兆候です。例えば水道管のような固くなった血管と、ホースのような柔らかい血管があるとします。水道管破裂はよく耳にしますが、ホース破裂はあまり耳にしません。これは水道管に急激な圧が加わると、もろくなっている部位(血管でいえば動脈硬化部位・動脈瘤部位)が破裂し脳出血などを引き起こします。逆にホースはしなやかさがありますので、急激な圧が加わっても圧が逃げて血圧の変動もなく血管でいえば破裂せずに脳出血のリスクが下がります。自分の血管が水道管なのかホースなのか、これは当院にある血管年齢測定装置(CAVI)で測定することができます。ぜひ血圧が変動する方や、高いまま持続している方は検査をお勧めします。

糖尿病とは

糖尿病

糖尿病とは、インスリンの分泌量が減少しているか全く出ない状態、もしくは量が十分であってもその機能が低下してしまうことで、血糖値を下げることが難しくなり、常に高血糖な状態にある場合を言います。

高血糖な状態が長く続くようになると、次第に血管は損傷を受けるなどして、体の様々な箇所で合併症(糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害 など)を引き起こすようになります。初期症状が現れることは少ないので、合併症として症状が起きた時に初めて糖尿病に発症していることに気づいたという患者様も少なくありません。また糖尿病は動脈硬化を促進させることから大血管障害(心筋梗塞、狭心症、脳卒中など)を発症することもあります。

発症の仕組みですが、血糖とは血液中に含まれるブドウ糖のことで、インスリンとは膵臓で生成されるホルモンです。血糖値は食事などをすることで高くなるのですが、インスリンには、全身の臓器に血液中のブドウ糖を取り込ませる仲介者の役割を担っています。これにより、血糖値は正常な状態が保たれるわけです。しかし、これが何かしらの原因で働かなくなると常に血糖値が高い状態のままになります。そうなると血液中に糖分(ブドウ糖)がダブつき、やがて肝臓で脂肪になったり、腎臓から尿糖として排泄するようになるのです。

糖尿病の種類

インスリンが減少または全く出ない、あるいは量が充分でも機能が低下していると慢性的な高血糖状態から糖尿病を発症するようになるわけですが、そのパターンは1つではなく、主に4つのタイプに分類されます。

そのうちのひとつが、インスリンを作る膵臓のβ細胞の破壊により発症する1型糖尿病です。膵臓の細胞破壊の原因はよくわかっていませんが、ウイルス感染などが起因となって免疫異常を起こし、破壊されるのではないかとも言われています。発症者が若い世代に多いのが特徴です。

また、糖尿病患者の9割以上を占め、一般的に糖尿病と言う場合、この病気を意味すると言われているのが2型糖尿病です。こちらは過食や肥満など日頃の不摂生な生活習慣が原因で、インスリンの分泌量が減少、もしくは量が十分でもその機能が低下することで起きます。

このほか膵癌などの他の病気や、ステロイドの服用などが要因となって発症する二次性糖尿病、完全な糖尿病ではありませんが、妊娠時はインスリンの働きを弱めるホルモンが胎盤から多量に分泌されることにより、高血糖状態になってしまう妊娠糖尿病があります。

近年、糖尿病の治療薬の進歩は著しく、低血糖という副作用を起こしにくい薬剤や、インスリンも1日1回の皮下注射で済むもの、作用機序によっては1週間に1回の皮下注射で済むものも登場してきています(糖尿病の種類や患者様各々のインスリン分泌量により治療方法は異なります)。
当院ではHbA1C迅速検査装置を備えており、数分で結果を見ることができます。もし健康診断などで糖尿病の疑いがある方は、是非ご相談下さい。

脂質代謝異常とは

脂質異常症

血液中の脂質の濃度(LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪)が慢性的に高い、もしくはHDL(善玉)コレステロールが一定の基準より少ない状態を脂質代謝異常と言います。

コレステロールは、細胞膜やホルモンなどをつくる材料として欠かせませんが、多すぎてしまうとコレステロールを血管に蓄積させるようになり、流れる血液はやがてドロドロの状態となって、動脈硬化を招くようになります。そして血管が狭くなったり、詰まったりして、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となっていくのです。発症の原因として考えられているのが、食べ過ぎや肥満などによるエネルギーの過剰摂取、さらに糖尿病や高血圧、腎臓病など別の病気が原因で併発することもあります。

自覚症状がほぼ現れないのも脂質代謝異常の特徴です。そのため血液検査や健康診断で指摘されることで気づくことがほとんどです。脂質異常症と診断されたら治療を行うことになりますが、その目的は動脈硬化の進行を防ぐことにあります。一度動脈硬化になってしまうと、戻ることはほぼありません。

高尿酸血症(痛風)とは

痛風

血液中にある尿酸塩が関節などにたまることで激しい痛みを引き起こす炎症発作が痛風です。尿酸というのは水分に溶けにくい性質であり、血液中では尿酸塩として存在しているのですが、この尿酸塩が多くなり過ぎている状態を高尿酸血症と言います。

尿酸塩は過多になると、針状の尿酸塩の結晶ができ、足の親指の付け根まで尿酸塩が降りると赤く腫れて激しい痛みを引き起こします。この症状が痛風です。この痛みはとても耐え難く、多くの患者様はこの症状により来院されます。ちなみに痛風患者の9割以上が成人男性です。

体の細胞というのは、毎日の新陳代謝で新しくつくり変えられています。その結果、細胞の核からプリン体という物質が生成されます。このプリン体が、尿酸の元になります。なお、プリン体はレバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類に多く含まれています。そしてアルコール飲料には、尿酸(値)を上昇させる作用があります。こうした飲食物を好む人は、尿酸値が高くなりやすい傾向があります。そのため、尿酸値の高い方は、プリン体が多く含まれる食物などを控えるようにします。

そのほか、尿酸が増える原因として考えられているのが、尿酸が体内で多く産生される体質(先天性の代謝異常、造血器疾患、無酸素運動の影響、肥満など)であること、尿酸の排出が悪い(遺伝的体質、腎不全など)といったことも挙げられます。

Page top